「Libro / 胎動」

胎動

胎動

Libroは日本人のラッパー/トラックメイカ

1997年の軌跡が1st EP。

97年の時点でこんなJazzyなヒップホップを作っていたってすごい。
とはじめて存在を知った時はびっくりしました。

その後、
胎動(98年)
音楽三昧(2000年)
三昧(2003年)

とリリース。

ラッパーとしてのアルバムに関しては以上。
寡作なことで有名です。
しかし、どれも名曲です。

やさしくJazzyで気分がよくなります。

その後プロデューサーとしてkeycoをサポートし、
レゲエシンガーkeycoとのプロジェクトfuuriとしても活動。
(2006年)

トラックメイカーとしてのインストアルバムのリリース

night canoe

night canoe


トラックメイカーとしてもLIBROらしさがでています。

今になって聞き返して気づいたんですが、
night canoeのHELLO COOKIEMANって
山仁のBYE BYE COCKIEMANと対になってるんですね。

山仁のCOCKIEMANで一番好きな曲がBYE BYE COCKIEMAN
なのでちょっとびっくりしました。

CD買ったらプロデューサーまで見ないと損しますね。

最近は鬼一家とも活動しているようです。

鬼ころし:和UNK EDITION

鬼ころし:和UNK EDITION


はじめLIBROつったって別人じゃないか?
とすら思ったのですが、
聞いてみると完全にLIBROでした。

UNRELEASED BEATZがめちゃくちゃ気持いい。

そんな感じでここ8年ぐらいラッパーとしてのCDが
発売されていません。

LIBROのラップに餓えてしまいます。

そんな状況で昨年リリースされたのが
胎動のリマスター版。

胎動 [初回限定盤] [リマスター盤]

胎動 [初回限定盤] [リマスター盤]

1. イントロ
2. 胎動
3. ガイドライン(EDIT)
4. 雨降りの月曜
5. 対話 feat.Momoe Shimano a.k.a. MOE'T
6. リブロ工房
7. Doytena 2000
8. 胎動 Remix(DJ TONK Remix)
9. 対話 Remix feat.Momoe Shimano a.k.a. MOE'T(DJ KIYO Remix)
10. アウトロ

日本語ラップのリマスター版が出るなんてびっくりしました。。
日本語ラップもそろそろ息の長いジャンルになってきたのですかね。

1. イントロ
クラッチとリズムの気持いいビートからアルバムが始まります。

2. 胎動
表題曲です。

歌詞的には
苦しいことと
そこから解放されること
をうたっています。

”ほら君の隠されていた財宝が待望の胎動を始めたぞ”
このリリックがお気に入り。

音楽的には
韻も固くビートもやわらかくきもちいいので癖になります。

3. ガイドライン(EDIT)
学校や社会といった所謂人生のレールについて歌っています。

ただし、「しかれたレールなんて嫌だ」
的なものではなく
「そこで考え悩んで努力し、いつか才能を開花させるんだ」
といっているように感じました。

HOOKも
”頂上目指す前の言わば序章 高く飛ぶための大きな助走”
と歌っています。

そして最後に
”成功とは多い失敗と表裏一体 とことんつきつめ悩んで
なんてまるで雨降りのマンデー”
と締め雨降りの月曜に移るので
ガイドラインと雨降りの月曜はセットで聞きたいです。

4. 雨降りの月曜

一番のお気に入り。
むしろ起きたら天気が悪かったので無性に聞きたくなりました。

ピアノの音が気持ちいいです。
単純な考えですが、
ピアノの音を雨に置き換えているんですかね。

憂鬱な日について歌っています。
雨降りの月曜は憂鬱なものだけど
日曜は必ず来るし
行いよければ次の月曜はきっと晴れだよ
と励ますような歌です。

”白鳥かアヒルのボートに乗って、いつもおなじみのビール飲んで
寒けりゃ寒いでコート着込んで 今日も息込んでちょうどいい本読んで”
と休日の過ごし方をうたっていてさわやかで好きです。

元ネタは
Tenorio Jr. - Nebulosa

5. 対話 feat.Momoe Shimano a.k.a. MOE'T

プロデュースはLibroとDJ Tonk

LIBRO的なラブソングです。

相手に対する想いと二人のやりとりについて歌います。

”耳ふさぎ聞こえくる旋律 ここは二人だけの天竺
毎日が七色のえらい催し たまには明るすぎる部屋良し”
と相手といるのを最高だと歌っていてうらやましくなってきます。

元ネタは
矢野顕子 - 悲しくてやりきれない

⇒フォーク・クルセダースのアレンジ
 オダギリジョーもパッチギにてカバーしてます。

6. リブロ工房
Doytena2000への助走です。

7. Doytena 2000

客演にArk KEMUMAKI DOBINSKI。
プロデュースはLibroとDJ Tonk
声ネタに我リヤのQやUziを使っています。

走馬党フリークにはたまらないと
昔読んでいた「ヒップホップチェキ」というサイトに
書かれていた気がします。

ちなみに走馬党で一番好きなのがBACKGAMMONなので
この曲は熱いです。

ほかの曲と違い攻撃的な内容です。
へぼラッパーはどいていやがれ
的な歌詞です。

元ネタのdaytona500が
HIPHOP社会をレースになぞらえ
GHOSTFACE KILLAHが「俺がぶっちぎって行くぜ」
的なことを言っている歌なのでそのオマージュですね。

好きなことをやっているときに聞くと
「ぶっちぎっていってやる!」という気分になれるので
がんばれます。

このネタbuddhaも「TOP OF TOKYO」で使っています。

TOP OF TOKYOはどっちかっていうと
Naughty by Nature - Jamboreeですが。

こういった男らしい感じのLIBROを聞きたい人は
BACKGAMMONのアルバムのサンシャインも聞くといいと思います。

元ネタ
Ghostface Killah - Daytona 500

元ネタの元ネタ
Bob James - Nautilus

8. 胎動 Remix(DJ TONK Remix)

胎動のリミックス。
HIPHOP色の強いトラックになってます。

9. 対話 Remix feat.Momoe Shimano a.k.a. MOE'T(DJ KIYO Remix)

胎動 Remixと違い原曲と大きく変わることもないリミックスです。
こちらのほうがクラブっぽい雰囲気になっています。

10. アウトロ
きれいなピアノの音を主体とする曲でアルバムが終わります。



このアルバムの再リリースによって
LIBROが改めてラッパーとして活動しないか期待してしまいます。