植本一子「働けECD」

ECDの奥さんで写真家の植本一子のブログを書籍化した本「働けECD」を読んだ。
働けECD

働けECD わたしの育児混沌記

働けECD わたしの育児混沌記

この本の特徴は、
毎日のお金の支出と日記とが書かれていること。
なので、かなりプライベートなことをかいちゃっています。

ひとつ前に読んだ本がいるべき場所だったので

いるべき場所 (Garageland Jam Books)

いるべき場所 (Garageland Jam Books)

ECD自身にとってのECD
他人から見たECD

というのが見えて面白い。

一子さんはやけのはらのCDのジャケットなんかも撮っています。

内容的には子育てについてが中心となっています。
子供への愛情やECDへの信頼があってこその
母としての不自由さや子育ての難しさが書かれています。

アーティスト同士なのですごく特別なことが書かれているかっていうと、
かなり身近な内容。
ECDは会社員の傍らでアーティストとしても活動しているので
っていうのもありますが。

でも、その苦労したり悩んだり周りの人のおかげで助かった分だけ
人や自分の環境に感謝していることも見えて
この人の人生は楽しそうでいいなと憧れたりします。

家族を大事にしながらも不満も持ってしまうというところに
しんきらりにも似ているなと思いましたが、
旦那への信頼があの本と違ってしっかりとあるので、
こはちょっと違うなと感じました。

しんきらり (やまだ紫選集)

しんきらり (やまだ紫選集)

個人的には、3/31の日記がすごく自分に合っていて面白かったです。
自分はGWに感じましたが。。
震災後に実家に一度退避して、東京へ帰ってきたときのものです。
以下一部抜粋
2011/3/31 : 働けECD

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今日は石田さんの仕事終わりが22時頃とかなり遅い日なので、いつも通り一人で夕飯と風呂と寝かしつけをしなければならないが、おとといまでの実家での生活と差がありすぎてなかなかしんどい。これまでどうしていたのかが思い出せない。やっと風呂に入れ、実家から持って帰った姪のお下がりのパジャマを娘に着せていると、思い出した様に「おばちゃん」と言う。おばちゃんは私の母のことで、実家が懐かしくなったのか娘と電話をかけてみる。母は私たちがこっちに戻ってから、明らかに口調が優しくなった。「あんたらが帰ってしもうて、家が静かで寂しいよ」と言う。娘達を寝かしつけながら、ふと思った。どうしてこんなに寂しい場所に私はいるのだろう。何だか、自分は東京で一人きりで、友達もおらず、何のためにここにいるのか分からない、ぽっかりとした穴に入ってしまったような錯覚に陥った。実家は楽だ。家族がいて、育児を手伝ってくれる。そんなのは当たり前なのだ。きっと私は今、逃げ出そうとしている。

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